このような場合には、遺言作成が必要です!
法定相続分と異なる割合で相続をさせたい
具体例
Aさんには3人の娘がいますが、2人は遠方に嫁いでしまっています。
そのため、「自分の老後の面倒は近所に住む3女にみてもらいたい。
その代わり、3女には、上の2人より多めに遺産を残してあげたい」と考えています…。
最近の高齢化・核家族化の中で、このような考えを持たれる方も多いようですが、仮に、遺言を残しておかなければ、法律に従って、3人の娘さんたちが同じ割合で相続をするということになってしまいます。
また、3女が多めに遺産を相続すること自体には異存がないとしても、その額をめぐって姉妹間で争いになるおそれもあります。
このような場合には、遺言をして置けば安心です。
内縁の妻に遺産を残したい
具体例
Bさんは、奥さんに先立たれたあと、男手一つで子どもたちを育ててきました。
子育ての最中は、子育てのことで無我夢中でしたが、子どもたちも成人して皆独立してしまうと、人生に張り合いを感じることが少なくなってきていることに気がつきました。
そんなとき、Cさんと出逢いました。
Cさんも前の夫と死別したあと、残された子どもたちを育て上げており、BさんもCさんも互いに60才を超えていましたが、2人は夫婦同様に一緒に生活をするようになりました。
お互いの関係については、双子の子どもたちにもきちんと説明し、了解もしてもらっているのですが、婚姻届を出して、正式に結婚してしまうと、子どもたちの相続分が減ってしまいます。
Bさんはそんな子どもたちへの気兼ねから、正式に婚姻届は提出しないことにしていました。
しかし、自分が亡くなったあとの生活保障の意味も込めて、Cさんには現在一緒に暮らしている家を遺してやりたいと考えるようになりました・・・。
「内縁の妻」とは、実質的には夫婦同様の関係なのに、婚姻届を出していないために法律上は婚姻関係があるとは認められない関係をいいます。従って、どんなに夫婦同様の関係があったとしても、相続することはできません。
ですから、Bさんが自分が先に亡くなってしまうことを心配して、家を遺したいと考えるのであれば、「遺贈」ということになりますが、このような場合には、そのように遺言書を作っておく必要があるでしょう。
ほとんど連絡もとっていない兄弟に遺産を残すより、妻にすべてを残したい
具体例
子どもに恵まれなかったDさんにとって、親族といえば妻の他は、長年ほとんど連絡もとっていない兄弟とその家族だけです。
そのため、自分が亡くなったあと、遺産はすべて妻に残したいと考えています…。
亡くなった方に、子どもも孫もいないという場合、亡くなった方の遺産は、妻だけでなく、亡くなった方のご両親(両親・祖父母も亡くなっている場合には、ご兄弟)にも相続権が生じることになります。
Dさんの場合、ご両親はすでに亡くなっているようなので、法律に従うと、奥さんが相続できるのは遺産の内の4分の3で、残りの4分の1は現在はほとんど連絡をとることもない兄弟が相続するということになってしまいます。
ですから、奥さんにすべてを相続させたいと考えるのであれば、その旨の遺言書を作成しておく必要があるでしょう。
ちなみに、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
相続人がいない
具体例
相続人がいない場合、亡くなった方に「特別縁故者」といえる人がいれば遺産は特別縁故者のものとなります。
しかし、特別縁故者にあたる人もいない場合には、遺産は国家のものとなってしまいます。
自分の遺産が国のものになってしまうくらいなら、「親しい人に遺産を残したい」、「社会的に有意義な活動をしている団体に寄付した」等と考えるのであれば、やはり、遺言書を遺しておかないといけません。

