相続についてのよくある質問
内縁の妻は相続できるの?
「内縁の妻」とは、実質的には夫婦同様の関係なのに、婚姻届を出していないために、法律上は婚姻関係があるとは認められない関係をいいます。
このような内縁関係の場合、内縁関係の相手方が亡くなったとしても、相続をすることはできません。
なお、亡くなった方に相続人がいない場合には、長年連れ添った内縁の妻が「特別縁故者」として、亡くなった方の財産を受け取ることができるケースも考えられます。
ただ、いずれにせよ、内縁に関係にある相手に遺産を確実に「遺したい」あるいは「遺してもらいたい」と考えるのであれば、遺言書を作っておく必要があることになります。
内縁の妻との間にできた子どもは相続できるの?
次の図の場合、子A、子B、及び、子Cのいずれにも相続権はあります。ただし、子Aについては「認知」されることが条件です。
1)父子関係
正式に籍を入れていない両親から生まれた子どもの場合、法律上の父子関係は、父親の「認知」という手続きがなされて初めて発生するものとされています(民法779条)。
そのため、子Aがすでに認知を受けているのであれば、亡くなった方の子どもとして相続をすることができますが、まだ認知を受けていないのであれば、父親から認知をしてもらうか、「認知の訴え」という裁判を起こして父子関係が存在することを認めてもらう必要があります(民法787条)。
2)相続割合
民法は、結婚し、正式に籍を入れている男女から生まれた子どもを「嫡出子」、内縁関係にある両親の間にできた子どもを「非嫡出子」としています。
そして、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の半分であるとされています(民法900条4号ただし書き)。
そのため、愛人または内縁の妻の子どもである子Aは正式な婚姻関係にある奥さんとの間に生まれた子どもである子B、子Cの半分の相続分のみが認められることになります。
孫、甥、姪が相続することがあるの? ~代襲相続のケース
亡くなった方(被相続人)の子ども(または兄弟姉妹)が相続人となる場合でも、子ども(または兄弟姉妹)の方が被相続人より先に亡くなっているという場合があります。
この場合、本来相続人になるはずだった子ども(または兄弟姉妹)の子ども、つまり孫(または甥・姪)が相続をすることになっています。
これを代襲相続といいます。
養子は相続できるの?
養子も養親の相続をすることができます。
1)なお、養子には実の親との親子関係が残る普通養子縁組と、実の親との親子関係が残らない特別養子縁組の2種類の制度があります。
実の親との親子関係がなくなってしまう特別養子縁組の場合、養親の財産を相続することはできますが、実の親の財産を相続することができなくなります(普通養子縁組の場合は、実の親の財産の相続もできることになります)。
2)また、かつては相続税対策として、養子縁組をして、相続人の数を増やすということが行われていました。
これは、相続する人間が多くなればなるほど相続税の基礎控除額は大きくなり、相続税の総額を計算する際にも有利となることを利用したものです。
しかし、形だけの養子縁組をして養子を増やし、相続税の負担を低くしようとするケースが多くみられるようになりました。
そのため、現在では相続税の計算にあたっては、実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合には、2人までという制限が設けられています。
未成年は相続できるの?
未成年者も相続することができます。ただし、次のことに注意が必要です。
1)未成年は、自分のした法律行為を取り消せる
未成年者の場合、まだ判断能力が未熟ですので、未成年者自身がなした法律行為は、あとでこれを取り消すことができるものとされています(民法5条)。
ですから、相続人間で遺産をどのように分けるかという話し合い(遺産分割協議)がいったん成立しても、この話し合いをした者の中に未成年者が含まれていれば、この未成年者は、遺産分割協議を取り消すことができることになります。
2)遺産分割協議の場合、親が未成年者の代理人になれないこともある
このように、未成年者のしたことをあとで簡単に取り消すことができるという不安定な事態を避けるために、通常は、「法定代理人」である親が未成年の子どもに代わって法律行為をしています。
ところが、たとえば、父親が亡くなって、母親と未成年の子どもが相続をするという場合、遺産分割協議の際には母親が代理人にはなれないという点に注意が必要です。つまり、この場合、母親の取り分が多くなれば、子どもの取り分が減るという関係があるため、母親と子どもの間では、利害関係が反し、代理人として適切ではないと考えられるためです(民法826条)。
このような場合には、母親は、家庭裁判所に、子どもの「特別代理人」を選任してもらった上で、その特別代理人と遺産分割協議をしなければならないということになります。

