専門用語集

遺産相続・遺言作成の専門用語について

あ行

遺留分(いりゅうぶん)

遺留分とは、法定相続人が最低限受け取ることができる遺産の割合(法定相続分の2分の1です)をいいます。
たとえば、「何人かいる相続人のうちの1人にすべての遺産を相続させる」とか、「特定の相続人には、なにも相続させない」というような遺言をつくっても、この遺留分を奪うことはできないのです。
このような遺言によって遺留分を侵害された相続人は、一定の期間内に「遺留分減殺請求」をすることで、自分の遺留分を請求することができます(民法1028条~1044条)。

か行

寄与分(きよぶん)

何人かいる相続人のうち、ある相続人が、亡くなった方の財産を増やすのに貢献したとか、減少するのを防いだのに、生前には、その貢献に対する見返りを受けていなかったという場合に、その貢献の程度に応じて相続分を増やしてもらえる制度のことです(民法904条の2)。

たとえば、長男が長年にわたり親の家業を手伝っていたのに、その間、(日常の生活費等は面倒を見てもらっていたものの)給料等の形で十分な見返りはもらっておらず、家業からの収入はすべて親の収入として扱っていたという場合、親の遺産の中には、長男の働きによる分も混じっていると考えられます。
ですから、その分は、長男が他の兄弟よりも多く相続することが公平だと考え、この寄与分という制度が設けられているのです。
そのほかにも、付添看護婦による介護が必要な状態の被相続人を、相続人が面倒を看ていたので付添看護婦の費用が節約できたというような場合には、被相続人の財産の減少を防いだということで、寄与分が認められることもあるでしょう。

検認(けんにん)

家庭裁判所に、遺言書の内容や状態を確認してもらう手続をいいます。
ただし、「遺言書が法的に有効である」ことを裁判所に認めてもらう手続ではありません。あくまで、遺言書の外観(目で見たときの状態など)や遺言書に書いてある内容(「確かにこの遺言書には『○○○○』と書いてある」など)を確認してもらうための手続です。

たとえば、あなたが遺言書を発見したときに、封がされたままの状態で遺言書を裁判所に検認してもらえば、遺言書が偽造・変造されていないということを証明するのに役立つことになるでしょう。

なお、公正証書遺言の場合には、検認という手続は必要ありません。
公証人が遺言書を保管しており、偽造・変造の問題は生じないと考えられるためです。

限定承認(げんていしょうにん)

遺産のうち、マイナスの財産をプラスの財産で返済し、プラスの財産が残ればそれを取得するという手続です。
つまり、「遺産のうち、プラスの財産が多いときには遺産を相続するが、マイナスの財産が多いときには相続をしない」ということになります。

限定承認をするには、自分が相続することになったことを知ったときから、3ヶ月以内に家庭裁判所に対して手続を行う必要があります。
また、この手続は、相続人全員で行う必要がありますので、注意が必要です。

た行

代襲相続(だいしゅうそうぞく)

相続人(被相続人の子ども、または兄弟姉妹)の方が、被相続人より先に亡くなっていたなどという場合に、その子ども(孫や甥・姪)が相続することができる制度をいいます(民法887条2項)。
ちなみに、孫も亡くなっているときには、その子ども(ひ孫)が相続をすることができます(これを「再代襲相続」といいます)が、甥・姪が亡くなっているときには、その子どもが再代襲相続することは認められていません。

直系尊属・直系卑属(ちょっけいそんぞく・ちょっけいひぞく)

尊属とは、血縁者の中で、自分より先の世代(父母・祖父母・おじ・おばなど)の人をいい、卑属とは自分より後の世代(子ども・孫・甥・姪など)をいいます。
そして、その中でも直接の上下関係がある場合(父母・祖父母・子ども・孫など)を「直系」といいます。

ちなみに、直接の上下関係のない場合(おじ・おば・甥・姪など)は「傍系」といいます。

特別縁故者(とくべつえんこしゃ)

法律上は相続人にはあたらないものの、亡くなった方と特別な関係にあった方は、亡くなった方に相続人がいない場合に限り、遺産の分与を受けることができるとされています(民法958条の3)。
この「亡くなった方と特別な関係にあった方」を特別縁故者といいます。

具体的には、亡くなった方と生計を一緒にしていた内縁の妻や、正式に認知されていない子ども、亡くなった方を療養看護に務めた方などが特別縁故者にあたることが考えられます。

なお、特別縁故者が遺産の分与を受けるには、家庭裁判所に一定の手続をすることが必要になります。

特別受益(とくべつじゅえき)

相続人が結婚や独立をする際に、被相続人から贈与を受けていたという場合、その受けた贈与を特別受益といいます(民法903条)。

このような特別受益は、いわば、「遺産の前渡し」にあたります。
ですから、被相続人が亡くなった際の遺産分割の際に、この特別受益の有無を考慮しないと、特別受益を受けていた相続人と受けていない相続人との間で不公平が生じてしまうことになります。

そのため、たとえば、兄弟2人で親の遺産500万円を相続するという場合でも、実は、お兄さんは、生前の親から独立をする際に独立資金として300万円をもらっていたという事情があるときには、各自の取得分を次のようにして計算します。
即ち、1)現にある500万円の遺産に特別受益分の300万円を加え、遺産の総額を800万円ということにして、2)兄弟でこれを2分し、各自の相続分を400万円と計算し、3)特別受益を受けていた兄さんは、この400万円から特別受益の分300万円を引いた100万円を現存する500万円の内から受け取るということになります(弟は、500万円の内から400万円を受け取ることになります)。
法律は、このようにして相続人間の公平を図っているのです。

な行

内縁関係(ないえんかんけい)

実質的には、夫婦として生活をしていながら、婚姻届出を行っていない男女の関係をいいます。

認知(にんち)

子どもが生まれても、父親と母親が結婚をしていない場合、父親と子どもの間に、当然には、法的な親子関係は生じません。
法的な親子関係がないと、扶養義務も生じませんし、相続をすることもできません。

このような場合に、法的な父子関係を生じさせる制度を認知といいます。
なお、父親が認知をしない場合には、子どもの方から父親に対して認知を求める訴えを起こすこともできます。

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