相続をめぐるトラブル ~遺産の分け方をめぐるトラブルはさまざま
家族同士だからといっても、相続をめぐってトラブルになることは、珍しくありません。
むしろ、家族だからこそ感情的な対立もおきやすいといえるかもしれません。
たとえば…
- 「親が残してくれた遺産は自分の土地・建物一つなのに、相続人は大勢。
どうやって分けよう?」
- 「親の老後の面倒をみたのは自分だけで、他の兄弟は何もしなかった。
だから、自分は他の兄弟よりも多く相続をしてもいいのでは?」
- 「生前、父は兄ばかりかわいがっていました。
兄は私立の大学に進学させてもらったり、結婚のときにはマンションも買ってもらいました。
それに引きかえ自分は公立の高校に行かせてもらっただけ。
それなのに、兄と私の相続割合が同じでは、公平といえないのでは?」
- 「自分は長年父親の事業を手伝ってきました。
父の事業がここまで大きくなったのは、私の功績もあると思います。
それなのに、父の相続では、他の兄弟たちと私が同じ割合で相続をしなくてはいけないのでしょうか?」
相続人間で話がまとまらなかったら ~紛争の解決方法
話し合いがつかなかったら、裁判所で解決することになります。
裁判所での解決方法には、「調停」という方法と、「審判」という方法があります。
調停
調停は家庭裁判所で、相続人がお互い話し合いによって、遺産の分け方についての問題を解決する方法です。
相続人同士の遺産分割協議と違う点は、主に
1)裁判所から選ばれた「調停委員」という方が仲介役を務めてくれる点と
2)調停を申し立てられた相手方は調停に出席する義務を課されるという点です。
そして、調停の場で話し合いがまとまれば、その内容は裁判所が作成する「調停調書」に記録され、裁判の「判決」と同様の効力を持つことになります。
ただ、調停もその基本は「話し合い」ですから、話し合いがまとまらない場合には、次の「審判」という手続きに移り、遺産の分割方法を裁判所に強制的に決めてもらうということになります。
審判
審判は話し合いを基本とする調停とは違い、裁判所に強制的に遺産の分け方を決めてもらう方法です。
ですから、一般の「裁判」・「訴訟」のイメージに近くなります。
裁判所から様々な資料を「証拠」として提出することを求められ、また、自分の言い分を認めてもらうためにはそれらの提出をしなければなりません。
調停とはかなり印象の違った手続きとなります。
法律上は、調停の申し立てをせずに、いきなり審判の手続きを申し立てることもできるとされています。
ただ、できれば話し合いで解決したほうが望ましいという考えから、この場合でも裁判所は、審判をする前に調停の手続きに付することが多いようです。
ですから、審判はどうしても話し合いで解決ができないときのための最後の手段といえるでしょう。